木材保護塗料とは防腐防カビ防虫剤が入ってる半透明の塗料のことで、WP(Wood Preservatives Stain )と略されます。
このジャンルは2006年に定義されました。
主に屋外の木部に使用され、ウッドデッキやウッドフェンスの塗装に最適な塗料です。
ウッドデッキやウッドフェンスは、金属やプラスチックに無い木の温もりが感じられ自然でおしゃれなものですが、大抵は屋外で四六時中雨風紫外線ににさらされる過酷な環境にあります。
放っておくとカビや苔が生え木が腐り見るも無残な姿になるので年に一度、いや出来れば3年に一度、最低でも5年に一度は修理して塗装しましょう。
おすすめ塗料
木材保護塗料には大きく分けて二種類あり「塗膜を作るタイプの塗料」と「塗膜を作らず浸透するタイプの塗料」の二種類あります。
分かりやすくするために「塗膜を作る塗料」を塗膜型、「塗膜を作らない塗料」を浸透型と表記しますのでお付き合いください。
私はウッドデッキ等塗装する際、何も指示がなければ塗装しやすく値段も手ごろな浸透型の塗料を使います。
以下、私が現在使用している、又は今まで使ったことのある塗料を紹介します。
キシラデコール
絆創膏をバンドエイド、カップ麺をカップヌードル、ショベルカーをユンボと呼ぶように塗装職人は木材の防虫防腐塗料の事をキシラと呼びます。
それぐらい知名度があり、他のメーカーの違う材料を使っているのに「ちょっとキシラ塗りにでてくれるぅ?」「キシラっすね~、わかりましたぁ~。」という会話が成り立ってしまうぐらい当たり前に使われている材料。
常備色も多くこの材料を選んでおけば間違いないんじゃないでしょうか。
見習い当時「西ドイツの材料で高いから大事に使うんだぞ。」と言われましたが今は国内生産。
記憶が正しければ武田薬品から発売されていた時期があり、メーカー名をみて「塗料じゃなくて薬品なんだな」と思った事も。
油性
ノンロット
某有名ログハウスメーカご用達の材料。
値段・性能は上記のキシラデコールと大差なく、どっちを選んでも間違いありません。
私的ですが、同じ条件で同時に使った事がないので確実ではないのですが、使った感じは上記のキシラデコールより色が出やすいような気がします。
作業性は良く、キシラデコールより塗装面にマスキングテープがよく貼り付くので、見切りが多い現場では作業が楽。
ところで販売メーカー名に三井が入っているので三井ホーム指定の材料なのかと思ったら違うんですね(笑)。
油性
サドリン
上記2つと比べるとマイナー感があるサドリンですが、間違いない材料です。
まだこの手の材料が少なかった時代、材料屋のセールストークは「西ドイツのキシラデコール、デンマークのサドリン」。
鮮やかな常備色を用意しているのでサイケな方に向いてるかも?
油性
玄々化学工業㈱
ナフタデコール
「ん、ナフタデ?」と一瞬キシラデかと耳を疑ってしまうネーミング。
意外と歴史は古く、その昔木材防虫防腐塗料といえばキシラデコール1強だった時代に国産メーカーのロックが対抗して出してきた商品。
値段はキシラデコールより安く経済的。
油性
ロックペイント㈱
タフウッドステイン
この中では一番知名度が低いのではないでしょうか?
ですが、安価ながらちゃんと防カビ防腐防虫効果と超撥水性を謳っています。
他と比べるとあまり色が付かない仕上がり。
油性
ユニオンペイント㈱
バトン
実はこの材料、防腐防虫剤を使用していないので木材保護塗料のカテゴリーに入りません。油性着色剤 OS(Oil Stain) です。
メーカーの謳い文句は「塗膜が食品衛生法に適合」なのでお子様やペットが直接触れても安心。
当然防虫防腐効果は少なく耐候性が悪い為早いスパンでメンテナンスが必要となると思われます。
マメに塗装できる人向き。
油性
大谷塗料㈱
オスモ
この材料も植物油ベースで、ドイツから輸入された発売当時「食べても無害ですが食品ではないので食べないでください」と説明されました(笑)。
それぐらい安全なのですが防カビ防腐性能も高くJASS規格にも適合している立派な木材保護塗料。
浸透性の塗料というよりオイルフィニッシュに近い(というかオイルフィニッシュそのもの?)ので、塗るのに慣れが必要。
他にこの手の材料にワトコやリボスがありますが、オスモが一番値段が高い!
油性