今回工事させていただいた宇都宮市の住宅。
外壁はALCなのですがなんと、ALCの縦目地がフラットになってます。
ALC目地を埋めるとどうなるか?
ALC板は軽石のような物です。
伸縮性がありません。
無理に引っ張ったり押し付けたりすると割れます。
建物が絶対動かないのであれば、隙間なくピタッと貼ってもいいのかもしれません。
ところが建物は地震等で動くものです。
じゃあどうすればいいのかというと、動いてもいいように板間に目地(隙間)を作ります。
しかしそのままだと防水性がありません。
なので伸縮性の高い材料(ウレタン等)で目地を埋める工事(シーリング)をします。
普通はそうなのですが、この建物は違いました。
縦目地がALCモルタルでフラットにされています。
縦目地の伸縮性を無くしてしまったらどうなるのでしょうか?
こうなります。
当然割れますよね。
この部分はまだいいほうで。ひどい所になるとこうです。
大きめの地震でもうひと揺れすると落ちますね。
それでなくても雨水が浸水し放題です。
耐え兼ねたのか、お客様が自分で補修した部分がありました。
ALC壁 クラック補修
私が提案した正しいと思う補修方法はこうです。
- 本来の目地部分に充填されているモルタルを除去
- シーリング
- 塗装
ところがこの工法は予算の都合で却下、モルタル除去をしないでシーリング・塗装となりました。
まず縦目地のクラック部分にプライマーを塗ります。
せめてVカットぐらいしたいのですが、しょうがない・・。
クラックの上にノンブリード変性シリコンを充填してならします。
これで下地調整は終わりです。
下地補修、予算は2人分の手間賃のみです。
ALC壁塗装
まずシーラー塗装です。
使用材料はニッペ水性カチオンシーラー。
シーラー塗装後、上塗りを2回塗って完了です。
上塗1回目。
使用材料ニッペパーフェクトトップ。
今回は仕上がりの色と似たような色があったので、1回目にそれを塗りました。
上塗2回目。
微妙に色がちがうので塗ってるのが良く分かります。
仕上がりです。
パッと見た感じでは、横目地だけ見えるのでなんかお洒落に見えますよね?
見た目を重視して性能を犠牲にしてる見本のような外壁です。
残念ですがきっとまた割れてしまうでしょう。
力になれず、申し訳ない。
アルミ笠木 白く変色した時の対処方法
この現場のベランダ笠木、長くビニール養生していたので水が回り白く変色してしまいました。
これはコロナ処理されたビニールで養生するとなりやすい現象です。
でも今回、コロナ処理されたビニールは使っていません。
私はいつも変色するのが嫌なので、普通のビニールを使うので。
なぜ白くなってしまったのでしょうか?
よく見ると白くなってる部分が全面ではなく限定的で、壁際から1100㎜ぐらいまでです。
推測すると、前回リフォームした業者がこの部分だけにマスカーと呼ばれるコロナ処理されたビニールを使用したのではないでしょうか?
1100㎜幅のビニールはよく使いますから。
恐ろしいですね、10年以上前の仕事が影響してしまうなんて考えてもみませんでした。
あわてないでいつもと同じ対処をしてみましょう。
これを使います。
いつも持ち歩いているメタノール。
こいつをウエスにつけてこすってみます。
落ちなかったらどうしよう・・。
なんか白い部分が元に戻っていきます。
おし、なんか大丈夫そうです!
おお、復活しました。
最後に
今回、外壁の色を決める際お施主様に2パターンのシュミレーションを提出しました。
どうやらお施主様、上のパターンが気に入ったようです。
実際の仕上がりはこうなりました。
うーん、やっぱりシュミレーションの色はピッタリになりませんね。
でも、大体イメージどおりなのではないでしょうか。
色決めに悩んだ時はお申し付けください。
参考にはなると思います。