以前私が20代の時に務めていた塗装店は儲け最優先でした。
名前は明かせないので「手抜塗装店」とでもしておきましょうか。

親方の奥さんに「一ヶ月あたりの売上を従業員の頭数で割ると95万だから1人100万を目指して頑張ろう」とハッパをかけられたのはいい思い出です。

その店で色々な効率よく儲ける方法「手抜工事」を教わりました。
その手口を公開します。

手抜き工事の実例

手抜工事の基本は時間をかけず材料をケチるです。
当たり前といえば当たり前ですね。
でもこれを忠実に守るのは職人魂が邪魔をしてなかなか難しいんです。
軽めの技から紹介しますね。

材料を必要以上希釈する

これは手を抜くというより仕上がりや作業性を考えて多くの塗装屋がやるはずです。
最終仕上げの時、多く希釈すればハケ目ローラー目も平坦になり綺麗な仕上がりになりますし材料の残りを気にしなくてもいいので。

ですが、何事も限度があります。

手抜塗装店では正規の量の半分の量で現場を決めてしまう事はよくありました。
半分という事はそれだけで材料費が五割削減された事になります。

次に時間を削減する技です。

乾燥時間をあけず塗装する

これはどうゆう事かといいますと、1回塗りで仕上がりが悪い場合2回目を塗ります。
その場合乾燥してから2回目を塗装するのですが、乾燥する前に塗ってしまうんです。

以外と多くの塗装屋がやる技で、「おっかけ」と呼ばれています。

でもこれは1回塗り契約の場合にやる技で、2回塗り契約の時はやりません。
契約違反ですから。

でも手抜塗装店はさらに上をいきます。

2回塗りを1回できめる

2回塗りで契約している現場なのに1回しか塗らないで仕上げてしまう、手抜塗装店のお約束です。

手抜塗装店の親方はハケを左右に動かす動きに「1回2回」というセリフをつけ、「これで2回塗りだからな」と嬉しそうによく言ってました。

きっと1回で2回分の料金がもらえるので本当に嬉しかったのだと思います。

当時無知だった我々従業員は忠実に実行していましたが、今考えると詐欺の片棒を担いでいたのだなと自責の念に駆られます。

でも手抜塗装店にとってはまだかわいいほうかもしれません。

下塗をせず上塗をする

錆止やシーラー等の下塗をせず上塗をする荒技です。

もちろん上塗は1回しか塗らないので2工程分の手間が浮きます。

この技はなかなか高度な技で、現場責任者(監督)の行動や性格を熟知していないと出来ません。

横着でマメに現場を見に来ない監督だった時のことです。

現場は比較的大きい建物の屋上看板塔内部鉄骨で、出入口は一か所しか無くそこまで監督がひいこらと階段を上ってきて出入口のドアを開けて見ました。

鉄骨は下塗の錆止が塗ってあったので上塗りしてもいいぞといって戻っていきました。

実はこの時、監督から見える位置は錆止を塗っているのに反対側の見えない場所はすでに上塗が始まっていたんです。

塗り終わった時に監督はあまりの早さにビックリしてましたが、施工した我々もそんな発想をした親方にビックリです。

手抜塗装店の親方は上手くいった事に大喜びで、さぞかしこの日のビールはうまかったでしょう。

違う材料を使う

この技は値段が高いグレードの材料で契約したのに値段の安いグレードの材料を使うという、明らかな契約違反です。

手抜塗装店の話では無いのですが、監督にバレたケースがあります

バレた塗装屋は契約上油性ウレタン塗装をする予定でしたが、水性アクリル塗料を使用していました。

なぜバレたかというと・・・。

施行中に監督が現場に来て、油性の匂いがしない事に気が付きました。

監督
溶剤なのにシンナーくさくねーぞ?
なんで?

塗装屋
無希釈でやってます!

と見当違いの答えをしているので、自ら缶の蓋を開けて確認したら明らかに溶剤のニオイがしない!

監督
ちっとこっち来てニオイかいでみ?

塗装屋
ム、ムキシャクで・・。

油性と水性じゃ無理があったようですね。

その塗装屋は材料の差額を儲けようとしたばかりに倍の手間代と材料代がかかってしまったようです。

見えない所は施工しない

手抜塗装店究極の技で、本当にこれやるんです。

例えば2階窓の庇(霧除け)の小口部分だけ塗装してその上の板金部分は塗らない。
でも下から見たら塗ってあるように見えます。

他県の某ホームセンターでの事は私が実行犯なのでよく覚えています。

駐車場コンクリート打ちっぱなし部分に撥水材を塗装する仕事だったのですが、一部そっくり塗装しないで収めてしまいました。

理由は「材料がなくなったから」です。

そんな理由で収められたお施主様はたまったものではありませんが、手抜塗装店の親方は上機嫌で接待という名のもとに繁華街に繰り出していきました。

手抜塗装店、もっと手抜の方法・実例があるのですが長くなるのでまたの機会に。

 

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