シリコンコーキング、よくホームセンターで見かけますよね?
安い時は200円ぐらいで購入できるので皆さん気楽に使ってると思います。
ところがコレ、もの凄い曲者です。
一番の欠点は、シリコンコーキングの上には塗装出来ない事です。
「そんなの大したことじゃないよ」と思うかもしれませんが、そのまま塗装するとエラくカッコ悪い!
とりあえず何とかした例を見てください。
実例
信越 ペインター20 使用例
2Fベランダと下屋根の取り合いがこんなんなっちゃてる現場がありました。
一体何があったのでしょうか?
アルミサッシの戸袋と笠木・雨押え板金とカラーベスト屋根が、白のシリコンコーキングで一体化しています。
コーキング上の塗装は見事にはげ、流れ出たシリコンオイルが水アカの様に全体を汚しています。
おそらく前回のリフォームの時、隙間の空いた部分に適当に塗ったくっておさめたのでしょうね。
う~ん、ものすごく下手です。
ちゃんとこれを直すには、シリコンコーキングを一度全部除去してから変性シリコンでシールし直さなければいけません。
とんでもなく手間がかかります。
たぶんこの部分だけで半日ぐらいかかるでしょう。そんな予算は見てません。
なので信越ペインター20という下地処理剤を使います。
ペインター20、塗装屋なら車にひとつは積んでいるのではないでしょうか。
これをまんべんなく塗装し乾燥後すれば塗装する事が出来ます。
【左】ペインター20塗装中 【右】塗装後
なんとか色を付ける事は出来ました。
ペインター20、シリコンコーキングの表面をどうにかして塗料が密着できるようにするのでしょうね。
とても都合の良い材料なのですが耐久性は「?」です。
経験上、同時に塗装した他の部分より早くハゲます。
余談ですが、ペインター20の保蔵方法は横に倒して保存する事を勧めます。
立てたまま保存すると、底の部分になにやら細かい粉のような物がたまって固まっちゃうんですよね。
シャーピー シリコンカバーNB 使用例
最近(令和元年)、シャープ化学からシャーピー シリコンカバーNBという製品が出てきました。
ペインター20のようなプライマータイプではなく、「シリコンコーキングと密着できるシーリング材」という材料です。
さっそく現場で使って見ました。
この現場、ベランダの笠木板金の重なり部分になぜかシリコンコーキングがしてあります。
塗り替えしていない現場なので、新築時にシリコンコーキングされてしまったようですね。
このままでは塗料が乗らないのでシリコンカバーを使って見ました。
スティック状のアルミパックの先の部分から材料をしぼりだしで使います。
ガンに装着するカートリッジタイプもあるみたいなので施工範囲が多い時はそっちのほうが便利でしょう。
1㎜ぐらいのせました。
この上に塗装するのですが、なんか長持ちする予感がします。
ガスメーター等移設後のビス跡なんかにもいいと思います。
なかなか使い勝手がよく、性能も良いいい材料だと思います。
ちょっと高いですが。
最後に
塗り替えなどのリフォーム現場で、シリコンコーキング部分は絶対にあるんですよね。
残念ですが、それだけ知識がない職人がいるって事です。
根本的に何とかする方法はシリコンを完全に除去して変性シリコンで打ち直すしかありません。
自分が元請の場合はそのぶん見積もりに入れますけど、下請仕事の場合はそんな事やってると他の工事に手間がかけられません。
なので上記の逆プライマーと呼ばれる塗料を塗って何とかするんですが、どこの業者でも一緒だと思います。
外部でシリコン部分を見るとムカつきますが、めげずに何とかしていきましょう(笑)。