現場でやる実際の養生

塗装する時塗料が飛散する場所。
そこを何とかしないとキレイな仕上がりにはなりません

私が実際に養生した現場をいくつかご覧ください。

養生の実例

どのお宅にもある玄関、絶対出入りがあります。
そう玄関床の養生です。

玄関床養生

この玄関ポーチには階段がありますね。

階段がある場合、注意しなくてはいけないのはバサつかない様にピンと張ることです。
ピンと張る事で見た目にもキレイですし、人が乗って歩いても邪魔になりません。

人が乗るたび破れていたのでは養生直しに手間がかかって他の仕事がはかいきませんから手を抜かずちゃんとやります。

コツは階段の出隅だけにテープを貼るのではなくて入隅にテープを貼る事です。

こんな感じでテープの半分だけくっつけます。

この上に歩いても滑りづらい「ノンスリップビニール」略して「ノンスリ」を張り付けるのですが、なかなか難しい。

入隅にノンスリが貼れれば自然と出隅もふさがり、歩いても破れずらい養生が出来ます。

ベランダ床養生

ベランダも同じようにノンスリで養生します。

ベランダで特に注意しないといけないのがドレン廻りです。

こんなふうに完全にふさぐと水が抜けません。
大雨が降るとベランダがプールのようになり、たまった水はベランダの防水の立ち上がりと壁の隙間から流れ出ます。(その隙間は通常防水していない)
流れ出た水は下の部屋の天井に回ってエライめにあうのでドレンは水が抜けるようにしましょう。

養生が終わるとよくいわれるのが「はがすのがもったいない」です。
ノンスリのグリーンが意外ときれいにみえますね(笑)。

下屋根の養生

屋根、それも絶対歩かなくてはいけない1Fの屋根(下屋根)の養生です。

まずマスキングテープを貼ります。

これは、ガムテープを直接貼るとはがす時に塗装面ごとはがれてしまうのを防ぐ為なのとガムテープの糊残りを防ぐ為です。

次にマスキングテープの上にガムテープを貼ります。

この時、ちょっと面倒ですがガムテープの半分だけ貼り付けません。
こんな感じです。

これはこの半分にビニールを貼り付けやすくするためです。

ここはよく歩くところなので、破れにくく滑りずらいノンスリップビニールを使い張り付けていきます。

あとはビニールをピンと張ってガムテープで止めて完成です。

窓の養生

一般住宅に必ずある「サッシ窓」の養生です。

まずマスキングテープをぐるりと貼ります。
このラインが塗装の散り際になるので真っすぐきれいに貼ります。

次にガムテープとビニール(農ポリ)を張り付けるのですが、今回は一度に貼り付けられるマスカーを使います。

ポイントは下から張り付ける事です。

ビニールを下から上に貼った方がピンと貼れて早く貼れます。

で、マスカーはハサミで真っすぐ切りましょう。

マスカーを張り付けたらビニールを上に引っ張り上げていくのですが、この時サッシの中心に補強のガムテープを貼っておくとやりやすいと思います。

このガムテープにビニールをピンと貼りながら張り付けていきます。

あとは左右上辺をガムテープで止めて完成です。

すごくめんどくさい作業です。
塗装って塗るまでが大変なんです。

「段取り八分」とはよく言ったものです(笑)。

給湯器の養生

ここは一番注意しなければいけない所です。

出来れば養生せず塗装するたびにシート等をかけたい所ですが、面倒なので養生してみました。

天板・横板・配管をビニールでふさぎました。

絶対にやってはいけないのが給気口と排気口をふさぐことです。
ふさいでしまうと不完全燃焼をおこし、部屋内に一酸化炭素が充満して最悪死亡するケースがあります。

実際に平成21年に東京都で養生が原因で一酸化炭素中毒事故が起き、住人3人が病院に搬送される事がありました。

甘く見ないで注意しましょう。