【ジンカリウム】石粒付き鋼板屋根の塗装

 

金属鋼板の表面に石の粒を吹き付けてあるやつをジンカリウム鋼板といいます。

ジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板と同じで、釘頭など錆で劣化します。

点検・メンテナンスは必要でしょう。

メンテナンスフリーといって売り出している業者がいますがウソです。
相手にしちゃいけません。

メンテナンス方法は、塗装が一番安価で効果が高いのではないのでしょうか?

 

塗装の実例をご覧ください

 

実例

 

新築後7~8年経過の現場、来てビックリしたのが雨樋の中です。

メダカでも放てばもう、素晴らしいビオトープ。

石粒で雨樋は完全に詰まり、20mの細長い水槽です。

アクアリウムマニア憧れの完全メンテナンスフリー環境が実現されていました。

 

高圧洗浄

 

とてもいい環境なのですが、このままでは建物によくないのでなんとかしなくてはいけません。

まずは高圧洗浄です。

表面の苔やほこりだけでなく、付着している石粒もものすごい勢いで取れていきます。

 

洗浄後気になったのは、鋼板によって砂の落ち方が違うことです。

右上の鋼板は比較的砂が残っています。かなり品質にバラつきがあるようですね。
ジンカリウム、おそらく海外製でしょうがこんなもんです。

 

使用材料

 

ジンカリウムで悩むのが材料。表面は砂だけど下地は金属だし・・。

リシン壁と同じようにフィーラー塗ってもいいのでしょうが、屋根だしサビてるしで屋根用塗料を塗ることに。

下塗 弱溶剤2液エポキシ ニッペ ハイポンプライマーⅡ
上塗 弱溶剤2液シリコン ニッペ ファインルーフSi

上塗りがとんでもない鮮やかな色(日塗工09-50X)なので下塗りは白を使います。

 

下塗り

 

現場は約160㎡なのでトタン屋根なら2缶弱で塗装出来ますが、今回表面が砂状です。

かなり吸い込むことが予想されますが、さて何缶使うのか!

6缶弱使いました。

通常の3倍です。

ガンダムに例えると「シャア専用」、恐るべしジンカリウム!

 

上塗り

 

下塗りで十分目が止まってると思うので、そんなに苦労しないと思いきやスゲえ色!

この手の色は経験上2回塗ってもあやしいです。

 

2回目を塗ってみるとどうでしょうか?

写真じゃわかりずらいかもしれません。
上半分が2回、下半分が1回しか塗ってない所です。

お施主様からお許しが出たので、2回塗りで良くなりました。

 

完成。

色は付けることが出来たのですが、どうしても足場の押さえ部分が気になります。
ジンカリウム鋼板は歩くだけでも凹むところがあって、より力のかかる足場の下は凹んだまま。

これを直すには、足場を架け替えて凹んだところを同じ鋼板で貼りなおして塗装というころになります。

確認してみましょう。

さあどうなるのでしょうか!

 

次の日。

 

・・・。

 

目立たないからOKだって(笑)。

 

実行価格

 

この現場、塗装工事にいくらかかったのか計算してみましょう。

 

材料費

材料合計¥200,000

下塗6缶×¥14,000
上塗4缶×¥29,000

※上塗が高いのは特注色の為

 

工賃

工賃合計 ¥200,000

10人工×¥20,000

思った以上に手間がかかってしまいました。
やはり砂上に塗装は大変です。

 

実行価格

材料工賃合計 ¥400,000

屋根面積 160㎡ ㎡単価2,500円/㎡

 

普通のトタン屋根の㎡単価が1,500円ぐらいなので、6割増しです。

でも次回の塗り替えは今回ほど吸い込まないので、もうちょっと安くできると思いますよ。