古くからあるモルタル壁。
最近はサイディング壁の方が多くなりましたが、まだまだ見かけますよね。
モルタル壁の表面には何らかの細工がしてあります。
代表的なのは
- リシン(掻き落とし)
- 吹付リシン
- 吹付タイル
- 吹付スタッコ
この4つです。
リシン(掻き落とし)
モルタル塗布後、お花を生ける時に使うケンザンのような道具で表面を掻き落として模様をつけた壁。
左官屋の仕事です。
吹付リシン
砂状の骨材を入れた塗料を吹き付けて仕上げた壁。
吹付タイル
粘度の高い塗料を吹き付けた壁。
そのままだと滑らかな玉状の模様の仕上がりですが、凸部分を専用の道具で押さえて処理するヘッドカットパターンもあります。
スタッコ
粘度の高い塗料に砂状の骨材を入れて吹き付けた壁。
ザラっとした玉状の仕上がりで、ヘッドカットパターンもあります。
(写真はヘッドカットパターン)
実はこれらの壁の塗装方法は同じです。
塗装実例
まず高圧洗浄で苔や藻・汚れを落とします。
年月が経つと地震などで割れ(クラック)が出来ます。
そのままでは雨漏りの原因になりますので補修します。
下地処理
この壁、お施主様がそのままではたえられなかったのでしょう、シリコンコーキングで補修してあります。
このクラックをグラインダーで広げます。
これはカットしたところを補修する変性シリコンの密着をよくするためです。
プライマー塗布後変性シリコンを充填しました。
硬化すると多少痩せるので、少し盛り上がるぐらい乗せます。
この上にパターンを合わせるためリシンを吹き付けます。
ほとんど目立たなくなりました。
こうして一部分だけではなく、一棟全部吹き付けて仕上げる事もありますが、最近は微弾性フィーラーと水性の上塗を使った工法が主流です。
下塗・上塗塗装
まず微弾性フィーラーを塗装します。
大変ですが、この時点で壁の巣穴を全部つぶすとあとが楽です。
最近、マルテー(大塚刷毛)から微弾性ローラーという粗面専用のローラーが出てきたのでそれを使いました。
おすすめです。
まだ一度も塗り替えたことのない壁、特に掻き落としは通常の倍ぐらい当たり前に材料を使います。
自分が元請なら高い単価で請け負えるのですが、他から回ってきた仕事の時はなるべくやりたくありません。
なぜか他の壁と同じ単価でやらされるので。
下塗りが完全に乾燥したら上塗りです。
上塗り途中の写真です。
壁の散り際の部分だけ塗装してあります。
この作業を専門用語でダメ込みっていうのですが、粗面な為なかなか色が入っていきません。
使うハケはナイロンの水性ハケではなく硬くて腰のある豚毛のハケがおすすめです。
乾燥後上塗りを2回やって完了です。