30年ぐらい前に「ガルバリウム鋼板」というトタン(亜鉛メッキ鋼板)ではない鋼板が登場しまして、屋根材によく使われました。
デビュー当時のガルバリウム鋼板(通称ガルバ)はトタンと比べると錆びないので塗装しなくてもいい、と教わったものです。
ガルバも錆びるんですけどね(笑)。
雪止めを取り付けた時のキズ・屋根葺き作業の時の切りっカス・なんかぶつけた跡・なんかから錆びます。
無塗装なので錆の跡がみっともないのか、塗装してくれといわれる事が増えました。
塗装すれば新品同様、キレイになります。
いや、新築以上かな?
塗装実例
下地処理
まずお約束の高圧洗浄をします。
ホコリや泥なんかを流し終われば素地がわかりやすくなります。
この時点でガルバかどうか確認しましょう。
築30年で無塗装板金なのでもうガルバしか考えられないのですが一応目視します。
表面にガルバ独特の文様があり、明らかに亜鉛メッキではありません。
下塗
ガルバを塗装する際に注意しなくてはいけないのが下塗り材です。
間違った下塗り材を使うと見事に剥離します。
実は私、以前元請さんの指示で普通の錆止めを使った事があります。
瓦棒葺きの屋根で、すでに一回塗装してありました。
その塗装が中途半端に剥げてるんですが、下地がガルバなんて思いもよらなかった!
どうなったかといいますと、1年を待たずそれはもう気持ちがいいぐらい剥離しました(泣)。
同じ轍は踏まない様に材料を選択、今回使う材料はニッペハイポンプライマーⅡ。
ちょっと気になるのは、カタログにガルバOKだとは記載されていない!
でも大丈夫です。
私の今までの経験ではOkですから。
でも不安なので材料屋に問い合わせてみました。
ニッペの話によると、施工後長時間経過している場合はこの弱溶剤2液エポキシでいいそうです。
目安は10年。
そこまで経過していない場合は強溶剤のハイポン20デクロじゃないとダメみたいです。
安心しました。ニッペのお墨付きです。
塗装そのものは難しい事はありません。
上塗
上塗は屋根用塗料のニッペファインパーフェクトベストを使いました。
実はこの材料、ニッペスレート屋根用のカテゴリーに属しています。
鋼板用のカテゴリーを見るとニッペシリコンルーフⅡというのが同等品にありますが、平滑材が入っているかいないかだけの違いらしいのでファインパーフェクトベストを選びました。
普通の塗装屋なら平滑に塗装する事が出来ますし、何より材料の種類が少ない方が在庫管理が楽なんです。
上塗は下塗りほど気を使わなくてもいいでしょう。
普通に2回塗って完了です。
ガルバは高性能の鋼板ですが、耐熱性・防音性が他の屋根材に比べ劣っています。
遮熱・防音の性能を持つ塗料を塗装してもいいかもしれませんね。