【多彩模様】ニッペ クリスタルアート UV
ペンキで壁を塗ると、塗った色で壁が仕上がります。
当たり前ですが単一色です。
きっと、そんな仕上がりじゃつまらねえ、と思った人がいたのでしょうね。
多彩模様塗料という、複数の色が不規則に散らばる天然石のように仕上がる材料があります。
代表的な多彩模様塗料
日本ペイント 水性ペリアートUV
関西ペイント 水性ゾラコートEX
エスケー化研 プレミアムマルチカラー
今回、日本ペイントの新製品【クリスタルアート UV】を施工する機会がありました。
きっと参考になると思いますのでご覧ください。
今回施工するお宅です。
外壁は元々全面が意匠性塗材(ジョリパット)で施工されていたようで、1階部分だけレンガ調のサイディングを貼ったようです。
ちょっと特殊なサイディング?です。
おそらく内装用ではないでしょうか。チョーキングがすごい!
表面の劣化した塗膜が洗い流されて元の色がわかります。
2階部分です。
細かいクラックを水性ノンブリードウレタンシール「外壁専科」で埋めました。
施工要領書によるとクリスタルアート、吹付の場合は2工程で仕上がってしまうそうです。
マジか!
施工要領書を信じて、下塗りを無希釈でハケとローラーで塗ります。
すごくカブりがいいです。
下塗りが乾燥したら上塗りを吹き付けるのですが、これで仕上がりだそうです。
塗料、というよりもチップの入ったクリアーですね。
白っぽいベースの上に白っぽい骨材の仕上げは全然目立ちません。
普通の塗料で塗りつぶしの方がよかったのではないでしょうか?
1階タイル部分、思ったより目地が深くてハケだと時間がかかりそうです。
施工要領書に「下塗りはハケ・ローラーで施工」と書いてありますが、なんとかしたい。
そこで・・。
下塗りも吹き付けてしまうことに。
おお、早い早い(笑)。
念のため2回吹き付けました。多分大丈夫でしょう。
そして上塗りです。
ものすごく高価な材料、少しも無駄にできません。
ザっと左半分を吹き付けたところです。
よくわからないので拡大。
うん、高級感あふれる仕上がりですね。美しいと思います。
養生をはがしたら1階と2階の見切りが通ってませんでした(泣)。
どー直せばいいのだろう。ハケで直せるのでしょうか?
とりあえずマスキングテープを貼ります。
テープを貼りました。にじまないようにしっかり押さえつけて。
次に下塗りをハケで塗ります。
下塗りはハケで施工してもOKなので問題ないはずです。
問題は上塗りです。こんなちょこっと吹き付けてられません。
養生したりコンプレッサー用意したり、あーめんどくせええ!
ハケでやることにしました(笑)。
さあ、テープをはがしてみると・・。
うん、まあこんなんでしょう。
材料費
クリスタルアートUV
下塗り¥14,000×3缶
上塗り¥42,000×3缶
材料合計¥168,000
なんと材料一式¥170,000 !(端数切上)
とても高価です。私はこれで一か月くらせます。(笑)
工賃
2人でおおむね5日、10人工。1人¥20,000
高圧洗浄→養生→下塗り→上塗り→清掃
工賃合計¥200,000
実行金額
材料工賃合計 ¥370,000
外壁の㎡数が120㎡ぐらいなので、㎡単価にすると約3,000円/㎡です。
この金額は外壁だけです。
この他、足場レンタルや天井・破風板・雨樋塗装などいろいろ合わせると7~80万かかるでしょう。
でも仕上がりはきれいで、他ではあまり見ません。
ある程度予算がある人にはお勧めの材料です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コールタールの塗装【吉田製油所 精製コールタール】
コールタール、昔はトタン屋根や外塀の木材によく塗ってありました。
でも最近で塗装した事があるのは、プロのペンキ屋でもなかなかいないのではないでしょうか?
実は私も初めてでした
実際に作業してみてわかったんですが、塗装方法そのものは難しくありません。
「技術」より必要なものは「根性」です。
根性とは、そのニオイの中で長時間作業する根性です。
令和の今現在、新規でコールタールを塗装することはまずないでしょう。
最低でも合成樹脂ペイント、いわゆるペンキを塗装するはずです。
コールタールのデメリット
・有害性・発がん性を有する
・耐久性が悪い
・色が黒しかない
・ニオイがキツイ
・ベタつく
デメリットばかりだとアレなので、メリットをあげると「安い」というのがあります。
ですが、同じぐらい安い塗料があるので普通はそれを塗ります。
それでも塗装しなければならない場合は、既存の塗装がコールタールの場合です。
コールタールは油膜そのもので、その上に塗装しても塗膜が密着しません。
なのでコールタールの上にはコールタールしか塗装できないんです。
材料屋さんから聞いた話
塗装後5年以上経過した場合ならシルバー塗料を下塗りすれば色は付けられるみたいです。
シルバーの顔料はアルミの粉なので、アルミの膜を作ればその上に塗装できるという理屈だそうで。
だけど耐久性は?だそうです。(笑)
納屋というのでしょうか、私の地元栃木県ではこういった建物のことを「あまや」って呼びます。
方言でしょうか?
漢字はおそらく「雨屋」だと思います。
下地処理はお約束の高圧洗浄。
本当はグラインダーにカップをつけて削りたいのですが、穴が開いてしまうと元も子もないのでやめます。
コールタールがサビと一緒に固まっている部分が結構あって、なかなか手ごわいです。
通常のトタンと比べて倍以上時間がかかりました。
吉田製油所の精製コールタール。
コールタール、大手塗料メーカーからは出していないようですね。
どうやら一番メジャーなのがこの製品。
1缶で160㎡塗装できるそうですが、本当?
いつものようにハケとローラーで右から左方向へと塗装していきます。
希釈はラッカーシンナーを使うそうなので、ラッカーシンナーをちょこっと入れました。
一番安い洗浄用のやつで十分です。
気温で塗りやすさがかなり変わります。
真夏の屋根なら無希釈でもスイスイ塗れるのではないでしょうか。
1缶で160㎡塗装出来る予定でしたが、この現場は1缶で100㎡しか塗装出来ませんでした。
なかなか計算通りにはいかないようです。
後日、お施主様が2回塗りを希望なので、もう一度塗ります。
1回目塗装後、1週間経過しているにもかかわらずベタついています。
1週間で乾くと思っていたのですが、甘かったですね。
そんな中での塗装、足の後ろがベタベタです。
もうこの靴は使えないでしょう。洗っても落ちねえし。(怒)
今回塗装して、心の底から思いました。
コールタールは塗らないほうがいい!
「一度塗ったら次もタールじゃなくちゃダメ」とか「使った道具はもう使えない」とか「ベタベタしてキモイ」とか色々ありますが、一番ダメなのが「ニオイ」です。
どれぐらいクサイかというと、
風向きによるが100m離れても匂う
ニオイで飯が食えない
使用した作業着と一緒に洗濯した洗濯物がクサイ
というか作業着で家の中に入るなと言われた
娘が近づいて来ないのはコールタールのせいに違いない
これぐらいクサイ!
最後にもう一回言わせてもらいます。
コールタールは塗らないほうがいい!
追記 (令和6年5月)
後始末について、何件か質問がありましたので追記します。
洗濯機にニオイが移りました。
私はこれぐらいのニオイは大丈夫だと思い、一回違う衣類を洗濯しましたが、家族には臭いんだそうです。
仕方がないので、洗濯槽カビキラーでクリーニングしました。
私はこれで大丈夫だと思ったのですが、家族は不満そうでした。
材料屋に問い合わせたら、重油と同じように処理できるそうです。
よく考えたらコールタールって重油ですよね。
遮熱塗料の塗装
「遮熱塗料」という塗料があります。
いろんなメーカーからいろんな種類の塗料が販売されていますが、その名のとおり「熱を遮る塗料」です。
中には「断熱塗料」というのもありますね。
日進産業のガイナが有名です。
外壁に施工した例がありますので
こちらをご覧ください。
よく外壁に施工する事をすすめる業者がいますが、注意が必要です。
壁面積の半分以上が窓の建物の外壁に遮熱塗装をして本当に効果があるのでしょうか?
私なら窓を遮熱にする事を勧めます。
窓の外によしずを立てかける、なんかいいのではないでしょうか(笑)。
効果的なのは間違いなく「屋根」です。
屋根の表面温度が下がれば当然室内温度も下がります。
一般住宅でよく使われるスレート屋根ではあまり効果は分かりづらいかもしれませんが、工場等で使用する折板屋根ではエアコン代が安くなるといった効果がみられます。
屋根を葺いてから一回目の塗り替えだそうです。
まずお約束の高圧洗浄から始まります。
えらい勢いで水垢と劣化した塗装が流されていきます。
雨樋から流れ出る水は真っ白です。
一部塩ビ鋼板で葺かれていました。
塩ビ鋼板の厄介なところはキズや切り口の所から塩ビ被覆がめくれてサビてくる事です。
こんな風に。
なんか写真では分かりづらいですね。
このままでは塗料が塗り切れないのと見た目にもアレなのでカッターナイフ等でめくれた塩ビ被覆を除去します。
今回使用する材料はミラクールS300。
お施主様の担当者様がご自分で調べて「これを使おう」と決定した材料です。
私は初めて使います。
㎡数がとんでもなく多いので搬入された時はこんな状態です。
専用下塗りの「ミラクールSⅡプライマー」です。
どうやら強溶剤2液エポキシ樹脂ですね。
専用シンナーはエポキシシンナーです。
メーカーの仕様書には「旧塗膜がある場合は塗装工程が異なります」とありますが、旧塗膜のリフティングを恐れての事でしょう。
今回は新規の塗り替えなので問題なく施工出来ます。
ですが塩ビ鋼板部分が気になります。
メーカーに問い合わせたところ「目立たない場所でテストしてから使用してください」だそうで、自信がないのでしょうか?
私の経験上「強溶2液エポ」は塩ビ鋼板の下塗りの定番です。
販売店の担当者と相談してもOKなのでビビるメーカーを尻目にガンガン塗っていきます。
ミラクールS300、珍しく3液タイプの弱溶剤塗料です。
専用シンナーは塗料用シンナー。
規定量を電動工具でよく攪拌します。
3液のせいかあまり希釈しません。
希釈しすぎ(専門用語でシャブくしすぎ)に注意です。
塗り面積が多いので塗ってると気が遠くなってきます。
実は施工した時期が真夏で、連日猛暑日が続き30分作業したら休憩しないと職人が危ない!
上塗の2回目は注意が必要です。
暑さで頭がボーとしている上にどこを塗ってるのかわからないぐらい真っ白です。
全然関係ないのですが、昔少年ジャンプで連載されていた「ストップひばり君」という漫画で「白いワニがやってくる」というシーンを思い浮かべてしまいました。
休憩の時はどこまで塗ったのかわかるようにマスキングテープでしるしをしておきます。
こうして暑い中「白いワニ」が来ることなく、なんとか作業を終える事が出来ました。
作業を終えて施工者として気になるのは「本当に効果があるのだろうか」という事です。
なのでちょっと実験?してみました。
実験とは「夏に厚く焼けた砂浜で素足でどのぐらい耐えられるか」というアレです。
だれもがチャレンジした事があるのではないでしょうか?
まず塗装してない部分に乗ってみました。
ひゃあー、熱っちー!
ものの数十秒しか耐えられません。すぐに避雷針にしがみつきます。
もう出川哲朗状態(笑)。
あとで工場の人が温度を測ったら50℃以上あるみたいです。
では塗装後の屋根に裸足で乗ってみます。
いやー、ぬるい!
ぬるすぎてくしゃみが出そうです(笑)。
この温度は人肌ってやつですか。
これなら裸で寝っ転がることも出来そうです。
屋根の表面は明らかに効果がある事がわかりました。
問題は工場内です。
結果は来年のデーターを見ないとわかりませんが、施行した者としては効果があって欲しいと願います。
来年結果を尋ね、結果がわかり次第ここに追記したいと思いますのでしばらくおまちください。
【塗料】鉄部・木部・アルミ・プラスチック
ここをキレイに塗装しよう!と思った時、どんな材料をどうやって塗ったらいいのか以外と悩みますよね。
とりあえずホームセンターに行ってみたら結構いろいろあって迷うと思いますが、実は上塗りはあまり気にしなくてもいいです。
重要なのはどんな下塗りを使うかで、間違った下塗りを使うと塗装そのものが剥げ落ちて「やらなければよかった」という結果になる事もあります。
一応プロの私はこんな塗料を使います、ってのをご紹介しますので参考にしてください。
【塗料】鉄部・木部・アルミ・プラスチック
私は基本的に性能と値段のバランスがいいなと思う塗料を使います。
性能はいいけどとんでもなく高い材料(フッ素等)や安いけどすぐ褪色したり剥がれ落ちたりする材料は選択しません。
以下塗装する材質・部位ごとにまとめました。
鉄で出来た手摺や柱等は一番塗装しなくてはいけない、緊急性のある部分ではないでしょうか?
錆びだすとアッという間に朽ちていく場所です。
錆びてる場合は下塗り(錆止め)をするかしないかで持ちが2~3年も変わるのでやった方が間違いないでしょう。
下塗り
特に指定がない場合は弱溶剤2液エポキシ樹脂錆止め塗料ってのを使います。
「2液エポ錆」ってやつですね。
メーカー商品名
日本ペイント ハイポンプライマーⅡ
いろんなメーカーから同等品が出ていて、性能はそう差異が無いと思います。
予算が少ない場合は2液ではなくターペン可溶1液速乾エポキシ変性さび止め塗料「1液エポ錆」を使いますね。16㎏1缶2千円ぐらいしか変わらないのですが。
※ターペンと弱溶剤はほぼ同じ意味です。
メーカー商品名
日本ペイント エスパーワンエース
1液も同等品が色々出ていて性能もあまり変わらないでしょう。
上塗り
錆止めだけでは紫外線にやられてしまいますので耐候性の良い材料を上塗りに使います。
指定が無ければ弱溶剤2液ウレタン樹脂塗料「2液ウレタン」を使います。
メーカー商品名
関西ペイント セラMレタン
予算が無い場合は弱溶剤1液ウレタン樹脂塗料「1液ウレタン」を使い、やはり他メーカー同等品がたくさんあります。
メーカー商品名
関西ペイント 1液レタン
木地を活かした木目が表れる塗装をする場合木材保護塗料(通称WP)を使います。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
[getpost id="859"][getpost id="902"]
木目を出さない塗りつぶしの破風板や戸袋などで既存の塗膜が生きている場合は、鉄部の上塗りと同じ「2液ウレタン」又は「1液ウレタン」を直接塗装します。
劣化して吸い込みが激しい場合や新規の木材の木目を塗り潰す場合は下塗りします。
下塗り
私はなるべく木部用下塗塗料を使うようにしてますが、手持ちの材料が無い時など普通の水性(EP)を塗ったりする事もあります。
メーカー商品名
関西ペイント アクアグランドコート
この類の材料も油性水性色々ありますが、環境と乾きを考えて水性のこの材料が一番しっくりきますね。
上塗り
上塗りは鉄部と同じ「2液ウレタン」又は「1液ウレタン」を使います。
普通は塗装しない場所ですが、汚れが目立ってきたり気分を変えたくなったり(笑)すると塗装したくなる場所です。
昔のSOP(合成樹脂塗料いわゆるペンキ)全盛の時は塗装すると剥げ落ちるので「塗装出来ない」とされてきましたが、今は下塗りを入れる事で問題なく塗装出来ます。
下塗り
プライマーとかバインダーとか呼ばれる材料で、対象物の表面を腐食させ上塗りの塗料を強力に密着させます。
私は内部の仕事も多く、ニオイの関係で使い勝手がいい水性のプライマーを常に持ち歩いています。
メーカー商品名
東日本塗料 水性エクセルプライマー
上塗り
上塗りは上記の材質とおなじ「2液ウレタン」「1液ウレタン」を使います。
実はこの「弱溶剤ウレタン」は万能に近い塗料で、耐候性もよく値段もリーズナブルです。
上塗りにこの材料を選んでおけば間違いないのではないでしょうか。
光触媒の塗装
強力な耐汚染性と空気清浄能力を持つ光触媒塗料。
非常にいい材料だと思います。
でも結論を最初に言ってしまうと、おすすめ出来ません。
1番の理由は、とにかく高い!
実行単価は1㎡あたり4〜5千円します。
最近流行りの「ラジカル制御塗料」なら2回塗り替えられる金額です。
光触媒は20年ぐらいの高い耐久性も売りの一つですが、光触媒一回分の値段で2回リフォーム出来るならその方がいいのでは無いでしょうか?
しかしおすすめするケースもあります。
何らかの理由で2〜30年メンテ出来ない、とか、白い壁に水垢が付くのが許せない、とかです。
塗装実例
光触媒と言えばTOTOハイドロテクトが一番有名で施工実績も多いのですが、なぜか今は販売していないので、セブンケミカルのセブンチタニックを使用しました。
光触媒を施工する際に絶対必要なのが低圧で細かい霧が出る吹付用のガンです。
私はいつもこのカップガンを使います。
イワタLPH100(今は製造していません)
塗装用のカップガンと言えばイワタのW100がお約束ですが、そのW100より細かいパターンが出るLPH100。
今は進化版のLPH101が発売されています。
確かTOTOは、塗装器具メーカーと共同開発で光触媒専用のガンを出していたと思いますが、均等に吹き付けられればなんでもいいらしいです。
ハイドロテクト講習時の講師が言ってました。
ハイドロテクトは専用の塗料を塗装した後、プライマー塗布し光触媒塗料を塗布するという工程でした。
理由は、光触媒の酸化チタンが表面の有機物を分解するのはいいんだけど下地の塗装も有機物なので分解しないようにバリア層を作る塗装じゃないとなんとかカントカ・・。
でも、セブンチタニックは専用の塗料を用意していません。
で、この現場の設計が考えた下地の塗装がフッ素!
なんとまあ高価な塗料でしょう!
フッ素+光触媒という夢の組み合わせです。
光触媒の塗装方法は、プライマー・上塗とも吹き方は一緒で、あまり吹きすぎないようにしてなおかつ全体的に吹けていればOKです。
ダレるぐらい吹くのはNGです。
ところが、セブンチタニックは無職透明な液体なのでちゃんと吹けてるのか不安です。
ハイドロテクトは少し青みかかってたので少しは楽でした。
セブンケミカルさん、材料に少し色付けてください(笑)。
いつも思うのですが、光触媒は現場施工は向いていません。
工場のラインなんかで施工するにはいいと思いますよ。
現場だと「風が強いだの狭くて吹けない」だの「足場が当たってやれねえ」だの「他の業者と絡んで吹き忘れちまった」だの、いろんなトラブルがあります。
しかも光触媒は施工後すぐ吹き忘れが分かるのではなく、数年たって水垢が付いてからから初めて吹き忘れた部分が分かります。
その場所が高層ビルの壁面だったらと思うとゾッとしますね。保障なんかつけてたらクレーム処理が大変です。(TOTOは7年保証を付けてた)
私の予想ですが、大手メーカーが撤退したのはそんなとこなのでは・・。
打ちっぱなしコンクリートの上にモルタルしごき、その上に白のフッ素塗料を塗り光触媒、という30年間メンテナンスフリーを狙った設計さんはガッカリだと思います。
耐久性耐候性最高な材料にも欠点があります。
分かりづらいですが、現場の写真を見てください。
なんか躯体に水が差してたらしく、モルタルから剥離して表面がプカプカ浮いてます。
いくら高性能の塗料でも、下地からはがれてしまうと敵いません。
これを完全に補修するには剥離部分を除去乾燥後モルタルで段差補修・シーラー塗装・フッ素塗装・プライマー塗装・光触媒塗装、という工程です。
30年間水垢とは無縁の真っ白い白い壁をイメージしたお客様、すみません。
ここの現場の設計はお金儲けに走ったようです。
特殊効果がある塗料
最近の塗料には本来の目的(保護とか美観とか)以外に特殊な効果を持つ塗料が多くなりました。
ざっとあげると、防カビ防藻防虫・断熱遮熱耐熱・防汚染・防音・空気清浄効果・消臭効果・・etc.。
「塗料にそこまでもとめるか?」ってなるぐらい多機能の製品があります。
光触媒塗料
強力な耐汚染性・空気清浄効果のある材料で、とんでもなく高額。
TOTOのハイドロテクトという商品が一番有名だったんですが、現在は生産していません。
発売当時、自社の講習を受けた業者にしか製品を販売しないという事なので講習を受けに行ったのですが、無駄になってしまいました。
一体なにがあったのでしょうか?
施工した感じは、無色透明でツヤも無いほとんど水分(99%)をカップガンで吹き付けるのですが、塗ってあるのか何なのかよくわからない(笑)。
断熱と遮熱の違いは、それぞれ言葉の定義がウンヌン・・。
イロイロあるみたいです。
私は、夏の暑い時に屋根を塗った時に違いが実感出来ました。
通常は底の薄い靴だと歩けないぐらいの暑い屋根に施工した場合、薄底の靴でも歩けるのが遮熱。
裸足で歩けるのが断熱。
各メーカー屋根用塗料には遮熱タイプが設定されています。
効果もそれなりにあり、施工された方に聞くと夏場は実感できるそうです。
膜厚が厚い断熱タイプの塗料をスレート屋根に施工する時は注意が必要で、絶対に縁切りが必要です。
代表的な商品
日進産業 ガイナ
関西ペイント ドリームコート(中塗材)
塗装実例はこちら
ガイナの塗装
断熱遮熱塗料は構造上防音遮音効果を合わせ持ちますが、防音効果の高さをアピールしている材料は少ないと思います。
私はその昔、「数mmの塗装で数cmのコンクリートと同等の防音効果」で売り出した「関西ペイントZウォール工法」というのを施工した事があります。
壁に防音・遮音効果のある中塗材を塗装後、耐候性のある上塗材で仕上げるという「工法」なので 防音塗料としての認知度はかなり低いと思いますが、まだ生産しています。
外壁に施工されたお客様によると、防音効果はあまりよく分からないとおっしゃってました。
南面がほとんど掃き出しのサッシ窓のお宅でしたので当然だと思います。
窓が少なくブロック材で作られているような倉庫なんかでは高い防音効果があるのではないでしょうか。
代表的な商品
スズカ シャオンクール
日本ペイント パーフェクトインテリアエアークリーン
この塗料は光触媒の範疇に入りますが、外壁用の様に耐汚染性を売りにしていません。
売りは「消臭」「抗菌・抗ウイルス」です。
病院や学校の内部壁面に最適なのではないでしょうか。
関西ペイント アレスムシヨケクリーン
メーカーホームページによると
「虫除け成分(ピレスロイド系薬剤)配合により、塗装面に虫が止まることで(接触することで)、神経系に影響を与え(不快に感じて)、虫が寄りつきにくくなります」
だそうです。
以前私が施工した現場は夜間入り口を開けっ放しで営業するLED灯がとても明るい店で、大量に虫が入ってきて困っていました。
これは無視出来ない(笑)、っていうので試しに塗装したところあまり効果が見られません。
多少は効果があったのかもしれませんが、あまりにも虫が多かった!
塗料単体で使うのではなく、防虫対策をした上でのプラスアルファとして使用するのが正解だと思います。
ガイナの塗装
超高断熱塗料に日進産業のガイナがあります。
メーカーのホームページによると断熱効果だけではなく、遮音・不燃・消臭効果まであるというスグレ物。
性能はいいんですが、値段がちと高い。
私の所に入ってくる値段は1缶16kgで4万以上します。
1缶で何㎡ぐらい塗れるかというと、平塗りで40㎡ぐらい。
普通の住宅(120㎡)で3缶使ったとして、ガイナだけで12万円以上!
鏝でパターンをつけるような厚塗りをすると20㎡ぐらいしかっ施工出来ないらしいので6缶で24万円以上!!
ガイナだけでこの値段です。下塗りとか色々あるのに。
ですが、お施主様たっての希望で今回この材料を使って見ました。
塗装実例
施工する建物の外壁はモルタルでアクリルタイル仕上げです。
築30年以上だそうです。
ゆくゆくはサッシ窓を二重にするらしいのでガイナを勧めました。
窓を断熱しなくてはいくらガイナでもあまり効果が無いと思いますので。
まずは下地処理です。
お風呂場がわの壁が湿気でふくらんで落ちてしまった様で、お施主様が耐え兼ねて自分でモルタル補修したようです。
※お風呂はユニットバスに交換
これはイタイ!
取りあえずグラインダーで削って平らにしました。
穴が開いてます(笑)。
これをうんまくモルタルで平らにします。
使ったモルタルはキクスイカチコテSP。
厚塗りできないので2回しごきました。
このままだと既存のパターンとの違いが目立つので、下塗りの材料でパターンをつけます。
鎖骨ローラーで材料をたっぷりつけてパターンをつけます。
以外と難しい・・。
マスチックという技法なんですが、近年吹付のパターンより増えてきたような気がします。
さて、いよいよガイナを塗装するわけですが、注意事項が目立つところに貼ってあります。
昔ながらの塗装屋は開缶後直ちに水で希釈するんですが、それはやってはいけないらしいですね。
この施工手順通りによく攪拌します。
じゃないと成分のセラミックビーズ?とかいうのが一様に混ざらくて、本来の性能が発揮できないらしいですから。
電動撹拌機で5分ぐらいしつこく撹拌。
この撹拌機、職人によって呼び方が違い、マゼラーとかマーゼルとか呼びます。
「これで一度大量のホットケーキとか作ってみたい!」といわれたことがありますが、実際にテキ屋のあんちゃんがお好み焼きベースを作ってるの見たことあります。
撹拌した後、塗りやすい粘度に希釈して塗装します。
ネットでは「ガイナは塗装が難しい」といってるサイトがありますが、普通の塗装屋なら問題なく施工出来るのではないでしょうか。
似たような事いつもやってますので、難しい事は無いと思います。
今回は平塗り2回で仕上げました。
使ったローラーはマルテーBIDANSEI(びだんせい)。
今のところ粗面に使用するには最適なローラーだと思います。
思ったより材料を使います。
120㎡程度の壁で平塗りでも4缶使ってしまいました。
これがローラーではなくコテをつかった意匠だったら何缶使ったのか。
ゾッとしますね。
この現場、使った作業員は16人工なので工賃は普通の住宅と変わりません。
ですが材料費は25万円を超えました。その内ガイナが税込18万円!
普通の現場の材料費は10万円ぐらいですから倍以上!
実はこの現場、リフォーム会社がガイナのプランを持って営業に来ていたみたいです。
で、知り合いの塗装屋の私に見積もり依頼がきて見積もりしたところ即決していただきました。
かなり値段が違ってたようです。
見積は複数の業者に依頼して、どんな材料でどんな工程なのか説明させましょう。
その中から業者を選べばかなり節約出来るはずです。
いい業者に巡り合えるといいですね!
塗料のグレード
塗装する時、何の塗料を選んでいいのかわからなくないですか?
例えば水性か油性か?
塗料を希釈するものが水か油の違いで、水性と油性に別れます。
さらに油性はラッカーシンナー等の強溶剤と石油系の弱溶剤に別れます。
ひと昔前の塗料の性能は
強溶剤>弱溶剤>水性
だったのですが、今はあまり気にしなくていいでしょう。
水性でも鉄部が塗れますし、油性をモルタルの上に塗っても剥離しません。
樹脂による分類
塗料の性能を判断するには、希釈材ではなく塗料に使われている樹脂が一つの目安になります。
塗料の性能(耐候性)ランキング
ランキング通りなら、耐候性はフッ素樹脂が一番いいとされます。
なら
フッ素使えばいいじゃん!
って事になるのですが、値段もこの順番通りでフッ素が一番高価なんです。
フッ素はシリコンとトリプルスコアぐらい値段が違うのでおいそれと使えません。
実はこのランキング外に、フッ素より耐候性の良い無機塗料・アクリルより耐候性の悪い合成樹脂塗料( SOP いわゆるペンキ )というのがあります。
ですが無機塗料はフッ素よりさらに値段が高く、ペンキは近年あまり使わないので省きます。
フッ素樹脂塗料
1缶の価格 アバウト45,000円〜(16kg)
耐熱性・耐薬品性・耐候性全てが最高クラスの最強の材料。
フライパンの表面にも使われるぐらい安全性も高い。
確かデュポンの特許。
アクリルシリコン樹脂塗料
1缶の価格 アバウト15,000円(16kg)
耐熱性・耐候性・耐汚染性に優れた材料。
アクリル樹脂にどれぐらいシリコン樹脂を添加してるのかは製造メーカーにより異なる。
アクリルウレタン樹脂塗料
1缶の価格 アバウト12,000円(16kg)
耐候性に優れ、コストパフォーマンスに優れた材料。
鉄部で使用する材料はこれが一番多いのではないでしょうか。
アクリル樹脂塗料
1缶の価格 アバウト10,000円(16kg)
耐候性・作業性に優れた材料。
安価で加工しやすいので広い用途で使用される。
新しい分類
この樹脂の違いによる性能の目安は「ラジカル制御型塗料」という新しいカテゴリーの塗料の登場によりあやしくなってきました。
この「ラジカル」の登場でランキングがこう変わります。
塗料の性能(耐候性)ランキング ←New !
ラジカルはフッ素より耐候性が悪いがシリコンよりも上、というポジションです。
ですが日本ペイントが発売したラジカル(商品名パーフェクトトップ)はアクリル樹脂です。
1位フッ素のポジションはそのままですが、それ以下の樹脂は最下位のアクリルが同時に2位になるという不思議な現象がおきました。
これには日本ペイントも頭が痛いらしく、カタログに記載する際にこんな荒業を使ってます。
ニッペの配っているパンフレット
おや、アクリル樹脂が消えてしまいました。
「樹脂」という文字も「グレード」という文字に置き換えられています。
もうこの「樹脂の違いによるランキング」は役に立ちません。
なので、各使用部位に求める性能と価格のバランス・塗料の付加価値等トータルで判断しましょう。
「なんかよくわからないからいいヤツを」
って時はもうラジカルでいいと思います。
手前味噌ですがこのサイトも参考になると思いますのでお役立てください。
おすすめ!ラジカル塗料
近年、塗装屋の使う材料はシリコン樹脂塗料が主流でした。
ところが2012年ごろから「ラジカル制御型塗料」というものが出てきました。
「ラジカル制御型塗料」では長いので「ラジカル塗料」と表記します。
今まで塗料のグレードは主成分である樹脂が一つの目安で、樹脂の種類で性能のランキングが決まっていました。
耐候性の高い順に記号で表すと
フッ素 > シリコン > ウレタン > アクリル
です。
値段もこの順ですが、フッ素とシリコンの値段の差は3倍以上も違う!
シリコン1缶15000円だけどフッ素は50000円以上!
強いて値段の違いを記号で表すと
フッ素 >>> シリコン > ウレタン > アクリル
になります。
塗料メーカーのカタログを見ると、この通りのことが表示されています。
で、新商品のラジカル塗料のポジションはどこかというと
フッ素 > ラジカル > シリコン > ウレタン > アクリル
です。
シリコンより耐候性はいいけどフッ素にはかなわない、という位置付けです。
ところが値段はシリコンと同程度か少し高いぐらい。
無理やり記号にしてみましょう。
フッ素 >> ラジカル ≒ シリコン > ウレタン > アクリル
です。
これはもうラジカル使うしかないですね!
この材料が発売された時
「ラジカルってなんだべ?」
となんだかわからなかったのですが、これからラジカルを使いだしました。
それから数年経ちますが、特に問題はありません。
艶消しにも対応してます。
艶消し黒を塗装した時、タッチアップしても目立たないぐらい品質が安定してました。
タッチアップとは塗装終了後に補修などで一部分だけ色を付ける事なのですが、
某メーカーの水性シリコンはそれをやると目立ってしまいました。
ニオイはシリコンと違った独特のニオイがします。
それが嫌だったのでバラの香りがする「パーフェクトトップ ローズ」を使ってみたところ、ほんのりしたバラの香りが数週間続くのでお施主様は喜んでらっしゃいました。
施工してる人はニオイでまいっちゃうんですけどね(笑)。
塗料業界売上3位、エスケー化研のラジカル塗料。
エスケー化研は大手ハウスメーカーと提携して塗料の販売だけではなく施工まで請け負ってます。
なので総売上で3位!
大手ハウスメーカーの仕事で使うラジカル塗料はこれです。
個人で請け負った時はちょっと割高になるのでつかえません。
私の付き合いのある問屋さんはエスケー化研はあまり安くならなくて・・。
アクリルウレタン樹脂塗料
1缶の価格 アバウト12,000円(16kg)
耐候性に優れ、コストパフォーマンスに優れた材料。
鉄部で使用する材料はこれが一番多いのではないでしょうか。
ちょっとマイナー感のあるメーカーのあるキクスイ。
意外といい材料を出してます。
上記2製品と比べると知名度が低いですが、間違いなくいい材料です。
4年ぐらい前に前施工したお宅を伺ったところ、工事終了時からなんら変わってませんとの事です。
濃い色(濃彩色)が意外と安かったので使いました。
業界2位の関西ペイントが満を持して発売したラジカル塗料。
他のメーカーの欠点なんかも研究改良して発売しているはず?
メーカーの中の人がいうには、この材料(このシリーズ)は「少しぐらい雨で濡れていても施工できる」といってました。
さすがに大雨の時は無理だともいってましたが。
材料の展示会の時、関ペのブースの人に聞いたので間違いないです。
最後に
以上、私が実際に使った事のあるやつを紹介しました。
いろんなメーカーからラジカル塗料が発売されています。
まだ発売されてから数年しか経っていないので耐候性についてはよくわかりませんが、各メーカー各商品の性能は大差ありません。
値段は仕入先によって変わります。
私が主に取引している問屋はニッペが強いので、パーフェクトトップをつかっています。
普通に使う材料はもうラジカルでいいのではないでしょうか?
木部保護塗料(塗膜型)
木部保護塗料、いつも私は塗膜を作るタイプの塗膜型ではなく、塗膜を形成しない浸透型の塗料をすすめます。
その理由はいくつかありまして・・。
・塗りづらい
・塗る回数が多い
・高額
塗りづらい
浸透性塗料と違って粘度が高く塗りづらいので塗る速度が遅くなります。
塗る回数が多い
木目を表すタイプの塗料に限りますが、クリアーに微妙に色が付いてる程度なので何回も塗らないと見本通りの仕上がりにならないんです。
高額。
木目が表れるクリアータイプは16kgで2~5万円します。
木目つぶしタイプは4kgで1万円ぐらいですから16㎏で2万ぐらいします。
ですが、塗膜型は浸透型塗料より耐候性に優れ防腐防カビ効果も高いので金に糸目は付けないような現場ではおすすめします(笑)。
塗装職人はシッケンズと呼びますが、本当はオランダのシッケンズというメーカーの名前でセトールという商品名。
なのでハイエースに乗ってる人に「トヨタ乗ってるの」と聞くぐらいおかしな事だと思ってます(笑)。
この材料は木材に浸透するが塗膜も形成し、油性なのに成分中に水を含んでいるという不思議な塗料。
木目が見えるぐらい透明度が高いのに耐候性も高く、防腐防カビ効果もある理想的な材料ですが3回塗らないといい感じに仕上がりにくいので施工性は悪いです。
広い面を塗装する時はコテバケを使うと楽でした。
油性
トーヨーマテリア㈱
木材・石材洗浄保護のミヤキの油性木材保護塗料。
防腐防虫効果に加え高い耐候性を謳ってます。
おそらくこの中で一番高性能な材料です。
塗った感じは上記のシッケンズと同じで、2~3回塗らないといい感じになりません。
あと大事な事は、この材料はとても高いです。
私はまず候補に挙げません。
油性
㈱ミヤキ
ちょっとマイナー感のあるメーカーのあるキクスイ。
意外といい材料を出してます。
上記2製品と比べると知名度が低いですが、間違いなくいい材料です。
4年ぐらい前に前施工したお宅を伺ったところ、工事終了時からなんら変わってませんとの事です。
濃い色(濃彩色)が意外と安かったので使いました。
外部で臭い等環境の都合で水性の塗料を使わなくてはならない場合、私はこの材料を使う事が多いです。
この製品は完全な塗膜型ではなく半塗膜型といったほうがいいかもしれません。
1回目を塗装した後は浸透型をぬった様に木目が表れています。
そして2回目3回目と塗るに従って木目がつぶれていきます。
木目を活かすならハケ目を一本通して1回で決めましょう。
塗装技術が必要な材料です。
水性
和信工業㈱